まだまだきれいな博物館の外観。
府中市美術館は、「与謝蕪村 『ぎこちない』を芸術にした画家」(2019年)、「へそまがり日本美術 禅画からヘタウマまで」(2021年)など、そのチラシとキャッチコピーを見ると、正直脱力するというか、いい感じに斜めどこかへ攻めている企画が気になっていてずっと行きたいと思っていました。
展示の最初には、伊藤 若冲(じゃくちゅう)(1716-1800年)の作品がドーンと。
動物展・ふつうの系譜展@府中市美術館【図録制作チーム公式】@edo_fam「象と鯨図屏風」。このツイッターにあるように、行く前に画面上で小さく見ていた時は、生物学的に少し妙な感じがして特に興味はなかったのですが、本物を見たら、「しんとした静寂」という感じですんばらしかった(この作品の展示は2021年10月24日まで)。明日は彼岸入りです。動物展の目玉、「象と鯨図屏風」は、若冲が母の17回忌のために描いたものとの説もあるそうです。図版で見るとかわいいくてポップな造形が目立ちますが、実物を前にすると、その解釈が腑に落ちます。故人をしのぶ思いが大きな… https://t.co/2mDlbnFOER
2021/09/19 10:29:03
広々とした展示スペースと背景の薄紫、控え目ながらも美しいライティングと空間全部がサイコーで、ずっとここでたたずんでいたかったです。
動物展・ふつうの系譜展@府中市美術館【図録制作チーム公式】@edo_fam大学で「博物館展示論」を教える際、現場経験のない学生には言葉だけでは中々伝わらないので、このような実際の動画をよく探しているのですが、「準備段階」って地味に面白いことが詰まっていますよね。展覧会会場の壁、今年も経師屋さんが素晴らしく仕上げてくださいました。この方達は、めちゃくちゃ上手いペアなのですが、お互いへの声かけとか一切なく、無言でサクサク進んでいくのが驚きです。あうんの呼吸とはこのことですね。#動物の絵展 https://t.co/forvLmAphm
2021/09/14 12:05:55
展示の裏側に興味のある方は、「動物・ふつうの系譜展@府中市美術館【図録制作チーム公式】」のツイッターをのぞいてみるといいかもしれません。
この作品のように、前期(10月24日まで)・後期(11月28日まで)で見られる作品がかなり入れ替わるのですが、結構「個人蔵」の作品が多くて、借用したり調整が大変だろうなと勝手に想像。
そんなわけで、同じ企画展でも2回目以降は半額で見られるそうな。
他に個人的に好きだったものをご紹介。
動物展・ふつうの系譜展@府中市美術館【図録制作チーム公式】@edo_fam「秋叢戯虫(しゅうそうぎちゅう)」 小寺 稲泉(とうせん)(1882-1945年)作。動物展、昆虫好きの方にもぜひ、ご覧いただきたいです。これは小寺稲泉「秋叢戯虫」。昔の日本にも虫やらカエルやらをこんなにやさしく、美しくかわいく描いた画家がいたんですね。会場で肉眼でぐぐっと近づいてご覧いただきたい、とてもとても繊細… https://t.co/9RXqgINbrc
2021/10/08 10:46:30
「叢」って何だと思ったら、「くさむら」とのこと。
秋の草むらをのぞいてみたら、って感じなんでしょうか。
カエルなんかもいて、「何を運んでいるのかな~」と見入ってしまいます。
お伽噺的な世界なのですが、小さな世界への眼差しにめちゃくちゃ心ほぐれます。
お次は、切手の図柄にも採用されたりして、時々見かける、鍬形 蕙斎(くわがた けいさい)(1764-1824年)の「鳥獣略式図」。
動物展・ふつうの系譜展@府中市美術館【図録制作チーム公式】@edo_fam令和のイラスト、と言われても全く違和感ない永遠の「ゆるカワ」。「鳥獣略画式」、どれもかわいすぎて、並び順に迷います。#動物の絵展 https://t.co/ywyP7oEVB5
2021/09/15 10:39:43
遊びで書いたということだったのですが、上手い人が書いたのはどれもこれもかわいい。
中でも右の写真の一番右上にある、「エイ」が最高潮にかわいいので、ぜひ。
海の生きものとしては、お釈迦様が亡くなった時を描く「涅槃図(ねはんず)」で、人間だけでなく、動物も悲しんでいるという作品もお勧め。
動物展・ふつうの系譜展@府中市美術館【図録制作チーム公式】@edo_fam「八相涅槃図」。左下のクジラがお供えというかに花ではなく紅い「サンゴ」をくわえているのがなんか胸熱。ブラジルに高さ35mの仏像建立。という記事が今朝の新聞に出ていましたが、仏教美術には、大きいものが多いですよね。動物展にも、高さ1.8m、横2.7mもの大きな涅槃図が出ています。大画面の迫力と、細部の面白さで、いつまでも見ていられ… https://t.co/rN2ZCR0n9m
2021/09/24 10:44:18
「日本とヨーロッパ」という副題があるのですが、ヨーロッパの(個人的)一押しはコチラ↓
「シュモクザメ」。美術館なんだけど、かなりマイナーな動物の絵まで扱っていて、自然史屋としては嬉しい限りです。
スイスの博物学者ヨハン・ヤーコブ・ショイヒツァー(1672-1733年)が、聖書の記述をリアルの自然とあわせて銅版画で図示したもののひとつ(神聖自然学)。
聖書の中の「海の竜」は「シュモクザメ」であるという解釈。
その解釈はさておきにしても、シュモクザメって「何でこんな生き物がいるんだろう」と思わずにはおれない、自然のワンダーを感じさせてくれる生物なのですが、描かれ方がシュールでさらに釘付け。
古生物(化石)に関する著作もある方なので、自然史好きは見落とさぬよう、の一品です。
盛り上がってくる終盤には「徳川 家光」の作品。
動物展・ふつうの系譜展@府中市美術館【図録制作チーム公式】@edo_famミミズク(左)とウサギ(右)。将軍がこれを描く、、、考えれば考えるほど、面白いですよね。家光の絵が、どうしてこんなにいいと思えるのか、そのわけを知りたくて、金子学芸員に色々と聞いてみました。ちなみに、この2点とも前期(10/24まで)のみの展示です。お早めに〜… https://t.co/1pLJlf107c
2021/10/16 15:17:56
右の絵は「カイコ」か「ヤママユ」にしか見えん!
羊毛フェルトでつくられたカイコ(市山美季氏作・伊丹市昆虫館の展示)。蛾(ガ)というと嫌われがちですが、お顔はすっごくかわいいので、私はラブ!
いやそこじゃなくって、見知らぬ観覧者と目を合わせて笑ってしまうくらい、計らずしも力の抜けるこの作風。
こちらも、誰も真似のできない完成された間が抜けた感↓
動物展・ふつうの系譜展@府中市美術館【図録制作チーム公式】@edo_fam葵の御紋も入った立派な掛け軸のすみっこにチャボ。つぶらな瞳のニワトリ。作者は三代将軍、徳川家光です。家光の絵は色々なスタイルがあるのも魅力で、これはさらっと描きタイプ。かわいいチャボの雰囲気がよく出ています。表具には葵の御紋。表具は拝領した家臣が注文したのでしょうか。サインなし… https://t.co/R0ZFkB505m
2021/10/10 13:09:59
なんでかよくわからない魅力というものがこの世にはある、ということだけはよくわかりました。
ショップではこの家光の絵が描かれたお買い物バックまで作られていて、(お買い物バックはあるのに)あやうく買ってしまいそうになるという恐ろしい作品です。
Art&Event News 東京新聞@Tokyo_Artnewsこれを作ることにゴーサインを出したということが、ステキだと思う。【動物の絵展・グッズ紹介①】
2021/09/24 18:06:39
徳川家光《兎図》のトートバッグ、同館の「へそまがり日本美術」展で大好評だったグッズが再登場です!
大きすぎず、小さすぎない絶妙なサイズ感と、長めに作られた持ち手(男性でも肩にかけられます!)がポイント… https://t.co/aH0HYrU6lO
鳳(おおとり)はやはり、円山 応挙(おうきょ)(1733-1995)らによるワンコづくし。
こんなビジュアルがポスターやチラシに使われていたら、そりゃ行ってしまうでしょう(下の長澤 蘆雪(ろせつ)(1754-1799年)のワンコは10月26日から展示)。
意外なところで、俳人 小林一 茶が句とともに描いたものもあったりします。
そして、これらのワンコに対する企画展HPの「かわいい」の表現色々がかなりうけるので、ぜひ見てみてください。
最後は自分でスタンプを押して作るメッセージカードを作ってお持ち帰り。
いや~癒されました。
館へは電車とバスでアプローチになります。
府中市美術館の地図。
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私が求めていたのはこれですよ、これ!
「ゆるジオ」を読んでくれていたのか?という感じの三脚の充実ぶり(これに関してはこちらの記事をぜひ)。
スマホだろうが、普通のカメラだろうが、タイマーで自撮りができます。
そう、ボッチ来館だって、記念に写真が撮りたいんや!
写真だと台が点字ブロックと近すぎて危ない感じもしますが、私が写真を撮るのに興奮して、ハンカチを落としたのにも気がつかずにいたら、この側におられる受付の方がマッハで拾って渡してくれたので、点字ブロックを利用する方が来館された際には、マッハでサポートしてくれるのだと信じています。
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