「デミタスカップの愉しみ」を見に渋谷区立松濤美術館へ。
京都と群馬での展示を経て、東京に巡回してくるのを首を長くして待っておりましたよ。
コロナ禍で半ばあきらめかけていたので、感激もひとしお(*´Д`)
こんな器を見に行きたいなんて書くと、なんか上品な暮らしをしている感じがしますが、食器棚の中は、若かりし頃に100均で買ったとか、結婚式の引き出物でもらったとかばっかりでこだわりゼロだし、山に化石の調査に行った時は、お箸忘れたから木の枝折って箸にするとかそんな生活(^_^;)
自分で花を持って、演出する図(家族によるカメラフィルターの練習台)。
なのに、こんな場違い感満載の展示を渇望していたか言うと...
それは苦学生の頃じゃった...遠い目(苦学生だった時の話はこちらの記事をぜひ)。
山ほどあるバイト先のひとつが「フランス料理店」。
ご夫婦でされていて、家庭的な雰囲気なんだけど味は本格的、というステキなお店の繁忙期(クリスマス)に大学・大学院時代ずっとお世話になりました。
授業後にウェイトレスして、クリスマスで華やかな街中を横目に終バスに乗り遅れぬように走って帰るという、当時は「マッチ売りの少女」的な気分満載だったけど、今思うと、数々のマナー等を学べたありがたいバイトでした(食べたことないような美味しいものも食べさせてもらった、ありがたや~)。
関係ないのですが、ツイッターだったかで「マッチ売りの少女の話を子どもに読んだら『マッチって何?』と聞かれた」との話を読んで、この例えも厳しくなってきたな、と(*´Д`)
それはさておき、お食事の後には「フレンチカフェ」という、イタリアでいうエスプレッソみたいなのがスィーツと一緒に提供されるのですが、その時使っていたのが「デミタスカップ」。
デミタスの「デミ」は「半分」という意味で、通常のコーヒーカップより小さいんです。
これが20客ぐらいあったのですが、全部違う形、柄、色のもので。
今回の展示のコレクション(これだけ撮影可)。展示パネルに書いてあったのですが「何もかも、小さきものは、みなうつくし。」by 清少納言って感じで、普通のカップよりかわいいんですよね。
お店の方からは、「好きなものをお客様にお出しして」と言われていたので、そのお客様の服の色や雰囲気などを見て選んでお出しすると、これが必ず喜ばれるんですよ。
そして、みんな違うカップなので、グループのお客様だと「そっちもステキ~」なんて本当に盛り上がって。
その瞬間が嬉しくって、嬉しくって。
お皿やグラスも高級で、(割らないようにと)大変気を遣う仕事ではあったのですが、このカップを考えて出すのがめっちゃ楽しかったんですよね。
そんなわけで、コーヒー飲めないんですが(笑)、デミタスカップは見るだけで心が躍るブツなんです。
今回は、2000点以上所有されている個人の方のコレクションから約380点を展示してありました。今回の展示品をお持ちの方のフェイスブック。なんと毎日一客アップされていています(インスタグラムもあります)。
私は全部見てしまったのですが(笑)、展示になかったものもあるので、展示を見た方も見られなかった方もじっくり楽しめるかと。
上に挙げたのは私の好きな一客。その薄さ、紫色の美しさにため息。
1800年代のものなどもあるアンティークなので、優雅というかきらびやかなイメージかもしれませんが、モダンなデザインのもあって、本当にバラエティ豊か。とにかくオシャレ。
そして勝手にいいな~と思ったのは、このコレクターの方が、並べて保管するだけでなく、実際にコーヒーを飲んで使っているところ。
こういうのは飾るのもいいけど、使ってこそ、という気もしています。
普段使うには気を遣うし、お値段も張るのであれこれ所持できないし、お店ではコーヒー頼めないので、個人的にはこうやって展示で愛でるのが一番いいですが(笑)
図録も会期中に完売になるほどの人気。
正直、図録が売れ残って、博物館内で場所を取って困るという話はよく聞くので、こんなことってあんまりないような。
VRでも展示は見られます。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
区立の美術館だけど、松濤(しょうとう)って地名が読めないくらい(?)なんか格調高い感じがするのは私だけではないはず。
渋谷駅から歩いても行けるのですが、駅周辺の喧騒とは違った閑静な住宅街。
そして、美術館なんかは、建築物自体のデザインが売りっていうのが結構あるのですが、ここもその一つ。
教会みたいな外観。
しかしながら、住宅街、しかも都内の一等地にあるということで、お隣の建物と近接。
館内の窓のブラインドを開けてはいけない理由が書かれた貼り紙に「近隣住民のプライバシーのため」というのは初めて見ましたよ(一般的には紫外線で作品が劣化するので、開けてはダメというものなのですが)。
そんなわけで、建物から外側を眺めることができないので....
なんと、建物がぐるっと取り囲む中庭というかが全て噴水のある池!
吹き抜けの真ん中には、度胸試しの橋みたいなのまで。
外観からは想像できない作りに驚き。
40年前にこのような立地のために色々と頭を悩ませて作られたとのことで、建築を見るガイドツアーもあるので、ご興味のある方はそちらもよかったら。
有名建築って来館者的にはいいのですが、正直、使い勝手が悪くて「中の人泣かせ」なことが多いので、素直に楽しめなかったりするのですが、階段の踊り場で写真撮りてぇと思わせるのはすごいなと。
そして、1年に1回とかじゃなくて、「毎週」金曜日は区民無料ってところもナイス!
最近作られたであろう看板も、フォントがレトロというか「松濤」の雰囲気にあわせた(?)ようなもので、フォント好きとしては味わい深かったです。
京都と群馬での展示を経て、東京に巡回してくるのを首を長くして待っておりましたよ。
コロナ禍で半ばあきらめかけていたので、感激もひとしお(*´Д`)
こんな器を見に行きたいなんて書くと、なんか上品な暮らしをしている感じがしますが、食器棚の中は、若かりし頃に100均で買ったとか、結婚式の引き出物でもらったとかばっかりでこだわりゼロだし、山に化石の調査に行った時は、お箸忘れたから木の枝折って箸にするとかそんな生活(^_^;)
自分で花を持って、演出する図(家族によるカメラフィルターの練習台)。
なのに、こんな場違い感満載の展示を渇望していたか言うと...
それは苦学生の頃じゃった...遠い目(苦学生だった時の話はこちらの記事をぜひ)。
山ほどあるバイト先のひとつが「フランス料理店」。
ご夫婦でされていて、家庭的な雰囲気なんだけど味は本格的、というステキなお店の繁忙期(クリスマス)に大学・大学院時代ずっとお世話になりました。
授業後にウェイトレスして、クリスマスで華やかな街中を横目に終バスに乗り遅れぬように走って帰るという、当時は「マッチ売りの少女」的な気分満載だったけど、今思うと、数々のマナー等を学べたありがたいバイトでした(食べたことないような美味しいものも食べさせてもらった、ありがたや~)。
関係ないのですが、ツイッターだったかで「マッチ売りの少女の話を子どもに読んだら『マッチって何?』と聞かれた」との話を読んで、この例えも厳しくなってきたな、と(*´Д`)
それはさておき、お食事の後には「フレンチカフェ」という、イタリアでいうエスプレッソみたいなのがスィーツと一緒に提供されるのですが、その時使っていたのが「デミタスカップ」。
デミタスの「デミ」は「半分」という意味で、通常のコーヒーカップより小さいんです。
これが20客ぐらいあったのですが、全部違う形、柄、色のもので。
今回の展示のコレクション(これだけ撮影可)。展示パネルに書いてあったのですが「何もかも、小さきものは、みなうつくし。」by 清少納言って感じで、普通のカップよりかわいいんですよね。
お店の方からは、「好きなものをお客様にお出しして」と言われていたので、そのお客様の服の色や雰囲気などを見て選んでお出しすると、これが必ず喜ばれるんですよ。
そして、みんな違うカップなので、グループのお客様だと「そっちもステキ~」なんて本当に盛り上がって。
その瞬間が嬉しくって、嬉しくって。
お皿やグラスも高級で、(割らないようにと)大変気を遣う仕事ではあったのですが、このカップを考えて出すのがめっちゃ楽しかったんですよね。
そんなわけで、コーヒー飲めないんですが(笑)、デミタスカップは見るだけで心が躍るブツなんです。
今回は、2000点以上所有されている個人の方のコレクションから約380点を展示してありました。今回の展示品をお持ちの方のフェイスブック。なんと毎日一客アップされていています(インスタグラムもあります)。
私は全部見てしまったのですが(笑)、展示になかったものもあるので、展示を見た方も見られなかった方もじっくり楽しめるかと。
上に挙げたのは私の好きな一客。その薄さ、紫色の美しさにため息。
1800年代のものなどもあるアンティークなので、優雅というかきらびやかなイメージかもしれませんが、モダンなデザインのもあって、本当にバラエティ豊か。とにかくオシャレ。
そして勝手にいいな~と思ったのは、このコレクターの方が、並べて保管するだけでなく、実際にコーヒーを飲んで使っているところ。
こういうのは飾るのもいいけど、使ってこそ、という気もしています。
普段使うには気を遣うし、お値段も張るのであれこれ所持できないし、お店ではコーヒー頼めないので、個人的にはこうやって展示で愛でるのが一番いいですが(笑)
図録も会期中に完売になるほどの人気。
正直、図録が売れ残って、博物館内で場所を取って困るという話はよく聞くので、こんなことってあんまりないような。
VRでも展示は見られます。
デミタス展をVRでご覧いただけます!
— 渋谷区立松濤美術館【公式】 (@shoto_museum) September 22, 2021
https://t.co/z1lMit6cCV
昨今の状況下さまざまなご事情でお越しになれない方、パソコンやスマートフォンでオンライン鑑賞はいかがでしょうか。
白井晟一建築もあわせてお楽しみいただけます! pic.twitter.com/oYf2vREuAX
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区立の美術館だけど、松濤(しょうとう)って地名が読めないくらい(?)なんか格調高い感じがするのは私だけではないはず。
渋谷駅から歩いても行けるのですが、駅周辺の喧騒とは違った閑静な住宅街。
そして、美術館なんかは、建築物自体のデザインが売りっていうのが結構あるのですが、ここもその一つ。
教会みたいな外観。
しかしながら、住宅街、しかも都内の一等地にあるということで、お隣の建物と近接。
館内の窓のブラインドを開けてはいけない理由が書かれた貼り紙に「近隣住民のプライバシーのため」というのは初めて見ましたよ(一般的には紫外線で作品が劣化するので、開けてはダメというものなのですが)。
そんなわけで、建物から外側を眺めることができないので....
なんと、建物がぐるっと取り囲む中庭というかが全て噴水のある池!
吹き抜けの真ん中には、度胸試しの橋みたいなのまで。
外観からは想像できない作りに驚き。
40年前にこのような立地のために色々と頭を悩ませて作られたとのことで、建築を見るガイドツアーもあるので、ご興味のある方はそちらもよかったら。
有名建築って来館者的にはいいのですが、正直、使い勝手が悪くて「中の人泣かせ」なことが多いので、素直に楽しめなかったりするのですが、階段の踊り場で写真撮りてぇと思わせるのはすごいなと。
そして、1年に1回とかじゃなくて、「毎週」金曜日は区民無料ってところもナイス!
最近作られたであろう看板も、フォントがレトロというか「松濤」の雰囲気にあわせた(?)ようなもので、フォント好きとしては味わい深かったです。
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