アトリエみつしま」(京都市)にお邪魔しました。
入口の看板
正直、この看板のかわゆさに惹かれてやってきたと言っても過言ではない。

そしてこの建物入口、引きで見ると...
アトリエみつしまの入口
「織物株式会社」とな。

アトリエは京都市北区にあり、この地域はかの有名な西陣織の地。

市営地下鉄・烏丸線「北大路」駅下車してバスで5分程。


もちろん西陣織なぞ持っていないですが、実は着物が大好き♡ 
着物を着た安曽
いつもはハンマー片手に作業着的な感じですが、昔は友だちの結婚式に中古や借り物の着物を自分で着付けして登場したりしたもんです。


そんなわけで、以前、西陣織の工場だったところを利用したアトリエにかなりテンション上がります。
展示室入口の「従業員以外無断入場お断り」の注意書き
今はもう機器などはないですが、渋いフォントで「従業員以外無断入場お断り」という工場時代の注意書きの残る展示室入口。

近年の美術館は、「ホワイトキューブ(白い立方体)」と言われるように、様々な作品にあうように「真っ白(一色)な壁に何もない部屋」というのが多いのですが、個人的にはこのような建物、雰囲気があって好み。
ギャラリー内の様子
レンタルスペースとしてもやっているそうな。

作品が展示されると...
初期のさわる作品4点
右から「不安な気分」、「重い空気、あるいは違和感」、「今にも飛上がりそうなうきうきした気分」、「幸せなところに戻っていく」(すべて2012年)

これらは見るだけでなく、触感で物語を感じることができる作品です。

これらの作品の作者でアトリエのオーナーは光島貴之氏(すごいかっこいいHPなのでこちらもよかったら)。

光島氏とは、全国の美術館等が参加するアートプロジェクトのオンラインミーティングでご一緒させていただく機会があったのですが、オンラインだからこそのめっちゃおもろいアイデアを提案されていて、これは行かねばとヽ(^o^)丿
「一人でスタート」という作品
「一人でスタート」(2019年)

四角い箱の底面で1本だった釘が、壁や天井に進むにつれて、一緒に歩く釘が増えていき、最後には...

小さな箱の内側というファンタジーのようなシチュエーションに、誰もの人生にあるような世界が広がっていてたまりません(≧▽≦)


これらの作品は、光島氏が紙で設計図を作り、どんな素材で作るかをアシスタントの方に伝えてできあがるとのこと。
触感色々なものの見本
色々な大きさの釘や画鋲など、使える素材を集めておいたもの。これをさわって、この場所にはこれを使うと決めるとのこと。

地方博物館の学芸員時代には、展示など自分で工作していたので、ホームセンターにあるこういう素材を見ると、何かに使えるのではないか、と思わず考えてしまいます(笑)(学芸員時代の話はこちらの記事もぜひ)
「セミに惑わされる堀川通」という作品
「セミに惑わされる堀川通」(2020年)

白杖を左右について歩く様子がジグザグがに並んだ釘で表され、歩行者専用の安全な道では、釘がなめらかな軌跡を描いています。

そして、道の途中ではセミがうるさいくらい鳴いている、という様子も。

ただ通り過ぎてしまうような道にこんなストーリーがあったとは!

見るだけでなく、さわると情景が浮かぶ作品の数々にすっかりファンになりました。


今回ご紹介した作品の展示はすでに終了しており、また、昨今の状況から中々京都に行けない方も多いかと思いますが、光島氏の作品は各地の美術館からも引っ張りだこなので、お近くに来た際にはぜひ。

そして、京都に行く機会がありましたら、観光でも中々見ない西陣織の建物や作品をぜひ目と手で楽しんでみてください。


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光島氏に名刺を褒めていただいた。
安曽の点字入り名刺
突起の高さが十分あり、突起の間隔も良く、読みやすい点字とのこと。

「これなら大人になってから視覚に障害を持った人(点字を読むことに慣れていない方)にも読みやすいのでは」と言っていただいた。イエーイヽ(^o^)丿

この点字名刺は、お渡しすると「こういうものがあるんですね」と視覚障害のない人にも興味を持ってもらったりで結構評判がいい。

私は、視覚障害者自身の仕事にもなるところでお願いしていますが、お住まいの地域の作業所やインターネット上で検索しても点字名刺のサービスを見つけることができるので、みなさんも試しに作ってみられてはいかがでしょうか(お手持ちの名刺にも入れることができます)。