10月15日は「化石の日」(「化石の日」について知りたい方はこちらの記事もぜひ)。

というわけで、日本で化石を堪能したいならここ行っとけ、の一つがコチラ↓
博物館外観
北九州市立自然史・歴史博物館ーいのちのたび博物館

今はなきテーマパーク「スペースワールド」のお隣。

なくなっちゃいましたが、最寄駅は「スペースワールド駅」なり。

そして、「市立」でこんなにでっかい館はなかなかありません。
大型の化石の骨格標本が並ぶ展示室
「インスタ映え」なんて言葉が流行る前から、インスタ映え。

天井から床下まで見どころ満載。
哺乳類や鳥類のはく製が並ぶ展示室
地方出身者としては、このような博物館があるってすごく重要だと思うのです。

色々なものを実際に見る機会が、大都市に住む人だけに偏っている状況の中のホープ°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°
床下に貝や甲殻類の標本が展示されている
床下に展示されている海の生きものの標本。子どもなど、視点の低い人も興味を持ちやすいかと。

自然の美しさ、魅力がふんだんに味わえます。
モルフォチョウがたくさん展示されている
モルフォチョウのいろいろ。

植物の展示は、一般的な「さく葉標本(押し葉標本)」だと色が褪せているので、興味を持ちにくいんですが、ここのはかなり昔から美しい。
紅葉・黄葉の標本の展示
アクリル樹脂に封入した紅葉の展示。展示の勉強もこの館で随分させてもらいました。

そんな中でも、本題の化石はコチラをご紹介せぬわけにはいきません。
ティラノサウルスの骨格標本
なんと日本で、世界一有名なティラノサウルス(スー)を見ることができちゃうんですよ!

シカゴのフィールド博物館(Field Museum)に実物はあるのですが、15年ぐらい前にレプリカでも日本に来た時はかな~り話題に。
恐竜博2005の冊子とアメリカのスーを紹介する冊子
特別展「恐竜博2005」の展示解説書(写真左)。国立科学博物館、大阪市立自然史博物館等に巡回。右は、スーを紹介した子ども向けのアメリカの学習冊子。

この標本のスーと言う愛称は、発見者のスーザン(Susan Hendrickson)というお名前にちなんでいます。
シカゴに展示されている標本とスーザンさんの写真
この標本が常設で見られちゃうんですよ!

広々としたキッズコーナー(こどもミュージアム)があるのもポイント。
恐竜の骨格標本の展示が窓から見える未就学児コーナー
「幼児」が楽しめる部屋。幼児向けとあなどることなかれ。スーなどの骨格標本を同じ目線で見られるところがにくい。そして、こことは別に小学生用のスペースもあるふんだんさ。

他にも、古生物の復元模型が動くシアターがあるのですが、
恐竜の模型が動く劇場
これまたでかい。

そしてこのナレーションを、聴覚に障害のある方もスマートフォンなどを使って文字で見られるようになっています。
文字解説の案内
ちょっと同時に見るのは大変ですが、誰もが楽しめるよう色々とトライされています。


今回ご紹介しませんでしたが、「人の歴史」の展示もある総合博物館ですので、化石だけでなく、様々な興味の方が楽しめること間違いなし!の博物館です。



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以前、SNSで「6歳の娘が『女子が恐竜なんて...』と思ってあまり発信できないみたい。同じような友達ができればウチの子も自信が持てるのかな。」とのお父様の投稿を見ました。

その後、「はまぎん こども宇宙科学館」で化石のオンラインイベントの講師をした際、自己紹介で「(40年ぐらい先輩の)女子ですが好きですよ、ずっと」という話をしました。
「岩石ごろごろはっくつだ!」というタイトルで、宇宙科学館にある岩石や化石についてご紹介。
これを冒頭に紹介したお子さんが見て、「『女の子も古生物の研究者になれる!』という話と私(安曽)が『子どもの頃の愛読書』として紹介した図鑑と同じものを持っていたことで『嬉しくなった』」とのこと。

ワシもめっちゃ嬉しい。イェーイヽ(^o^)丿

紹介した図鑑(NEOシリーズ)は2002年発売なので、私は古い版で育っており、かなりサバ読んでることは秘密です(それに関してはこちらの記事もぜひ)。


それはさておき、令和の時代になっても6歳の子が、「女の子だから○○は」という風に思ってしまうような社会を作っているということに、大人として自分自身に憤り( `ー´)ノ

なんとか変えなきゃね、と思いを新たにいたしました。