海外で一番好きな場所はどこかと聞かれることがあるのですが、それはココ↓
岩石の隙間から見える遺跡
ヨルダンの「ペトラ遺跡」。



そして「ペトラ遺跡」と言えば...

そう、(ある年代の人には)「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」。

ご存知ない方は最後のシーンをチェックです↓

子どもの頃、「スター・ウォーズ」のみならず、インディ・ジョーンズの大ファンでして、私がよく被っているカウボーイハットは、ここで見つけ、興奮して買った由緒ある(?)物なんです(スター・ウォーズが好きな話はこちらの記事もぜひ)。

そうはいえどもとても安く、そしてその値段なりの作りだったのですぐに壊れると思いましたが、海外に随分連れて行ったにもかかわらず案外長持ちしています(この帽子で行った海外の話はこちらこちらの記事もどうぞ)。さすがインディの帽子だぜ!

上の動画にあるように、インディはここで馬に乗ってかっこよく駆け抜けて行くので、気分を出すべく(?)人生で初めてお馬さんに乗りました。
筆者が馬に乗っている様子(インディジョーンズは馬にのっている)
しかしながら、(めっちゃトコトコ歩いているだけにもかかわらず)振り落とされるのではないかと大変怖かったので、インディへの道のりは遠いということが判明(写真の笑顔は見せかけです)。

ちなみに大学生の頃、「50メートルの滝にザイルなどの装備なしで登った」、「一人で沢を歩いていてクマに遭った」というような、「地質のフィールド調査はチョー大変だよ話」を涙ながら(?)に姉にした際、「インディ・ジョーンズみたいだね。夢が叶ってよかったじゃん!」と明るい返答が_(┐「ε:)_

「インディ・ジョーンズは古生物学ちゃう!考古学や!!」と心の中で叫びました(古生物学と考古学についてはこちらの記事をどうぞ)。

しかも、「命からがら」なところだけ叶っても嬉しくないっす(´Д`)


そんなことはさておき、両側にそそり立つ岩の壁を抜けた先に冒頭の写真のような遺跡(昔の町)があり、天然の防御壁のようになっています。
高さ100メートル以上にもなる両側の岩の壁
これは断層の割れ目に水が流れて、岩を浸食してできたもの。

2018年に日本でもニュースになった、この場所の大雨による洪水のように、狭~い空間のためみるみる水位が増します。

私も調査を始めた学生時代、先輩から「(幅の)狭い沢は鉄砲水(急激な増水)が来るから、少しの雨でもすぐ沢から上がれ」と言われたものです。

みなさんも、そのような地形のところに行く際はお気をつけください(狭い沢なんか行かないでしょうかね…)

そして、この城壁のような岩山を抜けた盆地に昔の町(遺跡)があります。
盆地レストランの看板
遺跡内にある唯一のお食事処「Basin Restaurant(盆地レストラン)」。

これらの遺跡を作る岩石の多くが、約5億年前(古生代カンブリア紀)にできた砂岩。
赤色の砂岩に流れる美しい模様が見える
約2000年前の遺跡(考古)もいいですが、桁違いに古い地質もビューティフル。

そして、壮大な遺跡を前にしながら、やっぱり下を見て化石を探してしまいます(下向きの人生についてはこちらの記事もどうぞ)。
遺跡を前に石を見る様子
歩いている途中にある石をよーく見ると小さい巻貝などの化石が入っていました(赤色の砂岩とは時代が違う岩石)。

通る観光客が随分と少ない山の上の方にあるお土産物屋さん(道の脇にほいっとある露店)でも、かなり立派なアンモナイトやカキ(二枚貝)、ウニの化石が売っていたりします。
山の上の露店
これらの化石はこの近くで見つかるのかお店の人に聞いたら、「山を超えたあっち」みたいな超アバウトな回答をいただきました。

遺跡(考古)はもちろん発掘調査をされているのですが、化石(古生物)はあまり調査されてないのではないかと思うので、この遺跡を眺めながら細々と化石調査をして暮らしたいな~、というのが密かな老後の夢です(命からがらではなくのんびりと)。


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ペトラ遺跡内には小さな考古学博物館がありました(Petra Archaeological museum)。
ほこりかぶりまくりの昔の博物館の展示
写真だとそんなに悪くない感じなのですが、とても狭く(3つぐらいの部屋)、かつすべてが埃&砂だらけ(場所的にしょうがないですが)、そして展示品と説明の対応がわかりにくく、ちょっと残念に思っていました。

人やお金が潤沢にあるわけではないと思うので、博物館の一番の使命である資料の保存がされていればとりあえずいいよねとは思いつつ、外の遺跡がすごいだけにもったいないな、(専門は違いますが)展示の改善のお手伝いも老後にしたいよ、と勝手に考えていたのですが、2019年4月に遺跡の入口(外)にピッカピカの博物館ができてしまいました(笑)

The Petra Museum

ほぼ日本(JICA)の援助でできているとのこと。この博物館を見るためにも、もう一度行きたいところです。