特別支援学校の特別おもしろ祭」の運営のお手伝いをしてきました(2019年8月18日)。
特別支援学校の特別おもしろ祭のポスター
令和うまれ(笑)とのことで、特別支援学校での新しいお祭り。

参加者は、特別支援学校の児童・生徒やその家族(これから通う予定の人も含む)と特別支援学校の教職員の先着300名だったのですが、あっという間に予約が定員に達したとのこと。

それぞれの「特別おもしろい未来」が見つかるかも、ということで、「スポーツ」や「音楽」、「ファッション」、「食」などのブースを楽しむことができます。


私は「ゆるい」ご縁で「特別おもしろいスポーツ(ゆるスポーツ)」のお手伝いをして、一日ゆるくいい汗をかきました(´▽`*)

今回体験できたゆるスポーツのひとつ、「点字ブロックリレー」をご紹介。
点字ブロックリレーの様子
相手チームが作った点字ブロックの道をアイマスクをして白杖を持ってどれくらいの速さでゴールできるかを競います。

点字ブロック
いつも目にしているし、他の人より関心を持っていたはずなのに、「直進」と「止まる」を勘違いしていたことが発覚(@_@)

研修などでよくやる視覚障害者体験ではなく、相手チームとタイムを競いながら、点字ブロックに興味を持ったり、私のようにマークの意味が楽しんでわかるようになります。

他のスポーツも特に運動が得意でなくても(どちらかというと苦手でも)、みんな参加して楽しめるようになっています。


スポーツ以外のブースにも事前準備の際にお邪魔したのですが、私が一番おぉ!と思ったのは「特別おもしろい仕事」。
特別おもしろい仕事のポスター
児童・生徒が今まで世界になかった「職業」ならぬ「特業」を披露してくれるというもの。

例えば「ジャッジマン」という特業の生徒さんに悩みを相談すると、「アウト」か「セーフ」でアドバイスをくれます(車イスユーザーで、野球の審判用のマスクをしている(^▽^;))。


大人のスタッフの相談「やせたいけど食べたい」には一言、「アウト」(/ω\)

参加者の生徒の相談「好きな人に告白すべきか」には「ビミョー」(≧▽≦)

アウトとセーフだけかと思いきや、内容によって親身に(?)お告げをくれます。

他にも「塗り絵はみ出しマスター」など、独創的な方々が。

そして彼らは他のブースにも営業活動へ出かけ、名刺を配っていました。
特別おもしろい仕事で児童からもらった名刺
参加者も「特性・特徴・ここが自慢と思うこと」と「好きなこと・夢中になれること・これって才能?と思うこと」から特業を考え出します。

子どもたちが楽しめるように、と準備したブースだけでなく、このように子どもたちがホストとしてやっているブースもあってお互い楽しめます。

いつかは「特別おもしろい自然科学(ゆる自然?)」もできるといいな~ヽ(^o^)丿


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今回、会場となったのは、東京都立府中けやきの森学園

伺ったのは初めてなのですが、数年前、当時働いていた科学館にこの学校の生徒のみなさんが校外学習で来館され、ワークショップをしたことがあります。
ストレッチャーにのった生徒からキーホルダーをもらった時の様子
ワークショップ後、ストレッチャーに乗って来館した生徒から、お礼のプレゼントをいただきました。

生徒が作ってくれたキーホルダー
みんなで作ってきてくれたキーホルダーはずっと宝物です。


この団体見学の事前打ち合わせを府中けやきの森学園の先生とした際、どうやったら全員が参加できるか色々と考えました。

そして先生が教えてくれた方法の一つが「回答カード」。
手作り回答棒
1、2、3や「おもしろい」、「わからない」などが書かれたカード(使っている絵文字の「ドロップス」についてはこちらの記事もぜひ)。

普通校でおなじみの「わかる人は手を挙げて」という問いかけだと、「発話できる」または「すぐにわかる」一部の人だけしか参加できなくなってしまいます。

三択ぐらいのクイズにして、カードを挙げてもらうやり方にすると、全員が参加できるようになります。

そして、私たち館のスタッフでは反応がわかりにくい生徒さんも、付き添いの方に反応を見てもらいカードを挙げることで参加してもらいました。

また、一方通行の話にならないよう、時々「おもしろい」か「わからない」などの意見も聞いて、なるべく全員がわかるように進めていきました(詳しくはこちらをご覧ください)。


その後、特別支援学校だけでなく、障害を持たない子どもたちや大人の講義でも同じ方法を使ってみたら効果抜群。
回答カードを使ってクイズに参加している様子
ちょちょいと切った色紙でも同じことができます。

ほんのちょっとした工夫ですが、ただぼんやり聞くのではなく、みんなが自分で考えるきっかけになるし、いねむり予防にもなるので何かの講師をされる方にはおススメです(笑)

ちなみに、私は特別支援学校の先生に教わったことを応用していただけなのですが、大学教育でほぼ同じものが近年「アクティブラーニング」と言われ推奨されていることを知って驚き(@_@)

日本で育ったほとんどの人は、わかっていてもみんなの前で率先して発言することは得意ではないですもんね。


今回ご紹介したのはほんの一例ですが、「相手に伝える」ということや根本的な「学ぶ」ということについて、特別支援教育や障害を持つ方から学んだことはものすごくたくさんあります(こちらの記事もぜひ)。

今は教わったヒントを大学生や博物館のスタッフにお伝えしていますが、どんな人にも人生の役に立つことがいっぱいなので、お近くの特別支援学校など何か機会があった際にはぜひ関わりを持ってみてください(´∀`*)