国際地学オリンピック(International Earth Science Olympiad)」のお手伝いで、2018年の夏にタイに行きました(国際地学オリンピックに関してはこちらの記事をどうぞ)。

タイというと、だいたいみなさん「バンコク」をイメージされるかと思いますが、行ったのはバンコクの西、ミャンマーに近いところ。

マヒドン大学(Mahidol University)のカンチャナブリキャンパスです。

大英博物館やスミソニアン博物館と違い、あまり聞くことのないミュージアムやアプローチに気合がいる博物館を「秘境博物館」として勝手に紹介しておりますが、今回はこのマヒドン大学の博物館と野外展示についてご紹介。
マヒドン大学博物館入口
あまり日本では聞かないかもしれませんが、国立の大学でタイのトップクラスです。

屋内の展示室はこじんまりしていますが、できたばっかりなのかピッカピカです。
地質時代の流れにそって岩石や化石が展示されている
白色の壁に黒色の線で地質時代の出来事を表し(左側が時代が古く右に行くにつれ新しくなる)、その下の展示台に各時代の岩石標本を置いています。

あまり背景に色を使わないことで、地味な色の岩石標本もかっこよく見えるようになっています。
階段状になった展示台の上に化石が展示してある
化石標本の台は階段状で、標本をびっしり置いてなくても特に気にならないデザインのため、展示物を追加したり減らしたりの展示替えが簡単かもしれん!と中の人的には思う展示でした。

ちなみに、標本としては、えらく立派な腕足類(わんそくるい)の化石が大学の近くから出るらしく、ただただ羨まし~い(´▽`*)
大学の近くで見つかる腕足類化石
何が何だかわからないかもしれませんが、チョウチョが羽を広げたような黒い部分が化石です(腕足類について知りたい方はこちらの記事をどうぞ)。

シアターでは、2018年に世界的なニュースになった、タイ北部の洞窟に閉じ込められた子どもたちの救出ついて、地質学的に説明した映像が流れていました。
洞窟に閉じ込められた子どもたちの救出に関する映像
現場はこの大学からかなり離れていますが、マヒドン大学の先生も地質学的な見地から救出に協力したそうです。


そしてユニークなのは、屋外に「地質学パーク(Geological Park)」があること(ユネスコの「ジオパーク(Geopark)」とは違います)。
地質学パークの看板
でっかい看板がお出迎え。

タイ全土の岩石を、大学の敷地内で見られるように展示してあります。
時代ごとの看板
道を歩いていくと、「先カンブリア時代」、「古生代(Paleozoic・上の写真)」、「中生代」、「新生代」と看板があらわれ、その時代の岩石が道の左右に展示されています。

とりあえず先カンブリア時代(約5億4千万年より古い時代)の岩石から。
5億年以上昔の片麻岩
砂岩や泥岩などが地下で高温で変性されてできた片麻岩(へんまがん)。

そして、褶曲(しゅうきょく)した地層まで岩塊で持ってきています!
褶曲した地層の岩塊
中生代(三畳紀・さんじょうき)のチャートと石灰岩の層(チャートについてはこちらの記事もよかったら)。

そうは言えども、興味のないほとんどの人にはスルーされてしまいそうな地味な岩石たち。
石積みのようになぜか不安定な状態で展示する岩石
それを阻止しようとしてか(?)、「よくこんなの持ってきたな」というでかい岩石が、ぐらぐらゲームのように積まれていてなかなか斬新(^-^;

中生代のところには、「ジュラシックパーク」も出現ヽ(^o^)丿
恐竜の大型模型が大学の庭に展示されれいる
タイの北東部は、恐竜の化石が産出することで世界的に有名なのですが、でかい模型の登場にだんだん大学構内とは思えない感じになってきました。

そんな中、最高潮に地味ながらも一番驚いたのはコレ↓
モース硬度岩塊バージョン
「モース硬度計」、岩塊バージョンです。

「モース硬度」といのは、どれくらい鉱物が硬いかを、基準となる鉱物10個で表したものです。

この基準となる鉱物は柔らかいものから、

1 滑石(かっせき)
2 石こう
3 方解石(ほうかいせき)
4 蛍石(ほたるいし)
5 リン灰石(かいせき)
6 正長石(せいちょうせき)
7 石英(せきえい)
8 トパーズ
9 コランダム
10 ダイヤモンド

となっていて、これらの鉱物と調べたい鉱物をこすってみて、どちらに傷がつくかで硬さを決めます。

例えば、方解石(3)でひっかいても傷がつかないけど、蛍石(4)だと傷がつくモノならモース硬度は3.5になります。

高校の地学など履修された方は見たことがあるかもしれませんが、通常使うのは親指の先ぐらいのかけら↓

これをでっかい岩塊で並べるという発想、恐れ入りました!

もちろん一番硬い「ダイヤモンド」はありませんでしたが...(^▽^;)


結構長い道のりにたくさんの岩石を思い切りよく展示していて、とってもユニーク。
パークの出口の看板
地方の大学構内なので、なかなか観光では行けないかと思いますが、グイグイ伸び盛りのタイを地質の展示でも感じることのできる場所でした!


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タイでは、あんまり日本人が行かないような場所でも日本語や日本のものにお目にかかる。

おやつでいただいたクッキーには...
クッキーのパッケージの日本語
よく考えると、縦書き横書きで違うなんてユニークだな、日本語。

全然知らないくだものですが...
おいしいくだものと書いてあるドライフルーツ
茶色くひなびた感じですが「おいしいくだもの」とあるからには期待大。

タイの青空市場では...
タイの青空市場で売られていた「エノキ」
タイの学生さんに聞いたら、笑顔で「エノキ」って言ってました。

「抹茶」っていうとはんなりしたイメージかと思いきや...
抹茶アイスの看板
茶葉飛び出すパワフル感。「リッチ深み抹茶」のパワーワードに食べたくなったけど、人気爆発なのか売り切れでした(*´ω`*)