お誘いをいただいたので、国立西洋美術館(上野)で企画展「ルーベンス展-バロックの誕生」を見に行きました(2019年1月20日まで)。
「王の画家にして画家の王」とわかるような、こんがらがっちゃうようなキャッチコピーですが、ライトアップされた看板ですら暗闇に映えるあたりはやはり「画家の王」の風格を感じます。
こんな看板写真を撮っているように、金・土曜日の夜は20時まで開いています。
「働く人は大変だろうな」と元学芸員としてはそんなことが気になりつつも、ゆったりとおとな時間を過ごさせていただきました。
さて、ルーベンスの絵と言えば、(貧困な発想の)私には「フランダースの犬」。
(強く主張すると)年代的にテレビアニメはリアルタイムで見ていないのですが、最終回はリバイバル映像としてよく放映されていたのでイメージが強い。
主人公の少年ネロが教会にかかっている絵を見た後に天に召されていく、涙なしには見られない(オーバー40には)有名なシーンですね(´-`*)
画家になりたかったネロがずっと見たかった絵は、「王の画家」で有名だったルーベンス作。
今回、この絵が「4Kの映像」として大画面で展示されておりました(実物はありません)。
そんなわけで、全然絵の内容と関係ないところでうるっとしてしまいました(/ω\)
だって、当時はお金を払わないとその絵は見られなかったので、貧乏だったネロは見られなかったのですよ、ずっと(フィクションですが)。
どこの博物館もどこかからお金がやってこなければ継続することはできないので、入場料をとることが一概にダメだとは思っていません。
ただし、文化が金銭的に恵まれた人だけのものであるのは豊かな社会とは言えません。
見たいけど見られない人、触れたいけど触れられない人みんなに機会があってこそ(子ども時代、貧乏だったのでここら辺は鼻息荒い( `ー´)ノ)。
夢みたいな社会とまではいかなくても、「フランダースの犬」の舞台であった19世紀よりは良くなっていてほしい。
というわけで、11月3日は「文化の日」です。
この日にあわせて、入館料が無料になる博物館がありますので、お近くの博物館などぜひチェックしてみてください(以前紹介した国立科学博物館や千葉県立中央博物館、戸隠地質化石館も常設展は無料)。
そして、「入館料高いしねぇ...」ということで、あまり触れるチャンスがない方をご存知でしたら、お知らせいただいたり、お誘いいただければと思います(子どもはいつでも無料のところもありますが、子どもだけではなかなか行けませんので)。
入館料だけの問題ではないと思いますが、少しでも多くの方が触れられるきっかけになれば幸いです。
先の国立西洋美術館も文化の日は常設展が無料(ルーベンス展は観覧料必要)。
常設展でもゴッホとかモネとか有名どころが見られます。
モネの「水連」もいいけど、ゴッホの「ばら」も意外にさわやかです(常設展は写真撮影可)。
ネロの作品も認められた時にはすでに遅しという話なのですが、生きている時にはほとんど評価されず貧乏生活だったゴッホはルーベンスとは全く違う人生で、お金に恵まれるかどうかは本人の努力や才能だけではどうにもならないところがあると絵をみながらひしひしと感じます(死後53億円で購入されたゴッホのひまわりの話はこちらの記事をぜひ)。
また、関西方面では、11月の第3土日を中心に「関西文化の日」として、た~くさんの博物館が無料になります。
毎年、微妙なセンスのポスターですが、関西は多くの館で盛り上げようとがんばっておられるのを感じます(なんと600施設以上!)。
2018年は11月17、18日前後に無料になるところが多いので近隣の方は要チェックです!
ちなみに、この時期は難しいという方には、5月の「国際博物館の日」の前後も無料になるところがありますのでこちらもぜひ(この日に関する記事はこちら)。
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学校教育(フォーマルエデュケーション)に対して、それ以外の博物館や図書館、テレビやオンライン上での教育は「インフォーマルエデュケーション」と言われています。
子どものため、というイメージが強い自然科学博物館に大人だけの団体見学(研修先の「Museum of the Earth」にて)。
そして、学校に通っている時だって、家に帰ったら本やテレビなど、あまり教育という感じがしなくてもインフォーマルエデュケーションを受けていたりする。
ディレクターの一言には、学校教育をないがしろにするということではなく「だから自分たち(博物館)のやっていることは重要なんだよ、だからガンガンやるんだよ」という自負を感じました。
「王の画家にして画家の王」とわかるような、こんがらがっちゃうようなキャッチコピーですが、ライトアップされた看板ですら暗闇に映えるあたりはやはり「画家の王」の風格を感じます。
こんな看板写真を撮っているように、金・土曜日の夜は20時まで開いています。
「働く人は大変だろうな」と元学芸員としてはそんなことが気になりつつも、ゆったりとおとな時間を過ごさせていただきました。
さて、ルーベンスの絵と言えば、(貧困な発想の)私には「フランダースの犬」。
(強く主張すると)年代的にテレビアニメはリアルタイムで見ていないのですが、最終回はリバイバル映像としてよく放映されていたのでイメージが強い。
主人公の少年ネロが教会にかかっている絵を見た後に天に召されていく、涙なしには見られない(オーバー40には)有名なシーンですね(´-`*)
画家になりたかったネロがずっと見たかった絵は、「王の画家」で有名だったルーベンス作。
今回、この絵が「4Kの映像」として大画面で展示されておりました(実物はありません)。
そんなわけで、全然絵の内容と関係ないところでうるっとしてしまいました(/ω\)
だって、当時はお金を払わないとその絵は見られなかったので、貧乏だったネロは見られなかったのですよ、ずっと(フィクションですが)。
どこの博物館もどこかからお金がやってこなければ継続することはできないので、入場料をとることが一概にダメだとは思っていません。
ただし、文化が金銭的に恵まれた人だけのものであるのは豊かな社会とは言えません。
見たいけど見られない人、触れたいけど触れられない人みんなに機会があってこそ(子ども時代、貧乏だったのでここら辺は鼻息荒い( `ー´)ノ)。
夢みたいな社会とまではいかなくても、「フランダースの犬」の舞台であった19世紀よりは良くなっていてほしい。
というわけで、11月3日は「文化の日」です。
この日にあわせて、入館料が無料になる博物館がありますので、お近くの博物館などぜひチェックしてみてください(以前紹介した国立科学博物館や千葉県立中央博物館、戸隠地質化石館も常設展は無料)。
そして、「入館料高いしねぇ...」ということで、あまり触れるチャンスがない方をご存知でしたら、お知らせいただいたり、お誘いいただければと思います(子どもはいつでも無料のところもありますが、子どもだけではなかなか行けませんので)。
入館料だけの問題ではないと思いますが、少しでも多くの方が触れられるきっかけになれば幸いです。
先の国立西洋美術館も文化の日は常設展が無料(ルーベンス展は観覧料必要)。
常設展でもゴッホとかモネとか有名どころが見られます。
モネの「水連」もいいけど、ゴッホの「ばら」も意外にさわやかです(常設展は写真撮影可)。
ネロの作品も認められた時にはすでに遅しという話なのですが、生きている時にはほとんど評価されず貧乏生活だったゴッホはルーベンスとは全く違う人生で、お金に恵まれるかどうかは本人の努力や才能だけではどうにもならないところがあると絵をみながらひしひしと感じます(死後53億円で購入されたゴッホのひまわりの話はこちらの記事をぜひ)。
また、関西方面では、11月の第3土日を中心に「関西文化の日」として、た~くさんの博物館が無料になります。
毎年、微妙なセンスのポスターですが、関西は多くの館で盛り上げようとがんばっておられるのを感じます(なんと600施設以上!)。
2018年は11月17、18日前後に無料になるところが多いので近隣の方は要チェックです!
ちなみに、この時期は難しいという方には、5月の「国際博物館の日」の前後も無料になるところがありますのでこちらもぜひ(この日に関する記事はこちら)。
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学校教育(フォーマルエデュケーション)に対して、それ以外の博物館や図書館、テレビやオンライン上での教育は「インフォーマルエデュケーション」と言われています。
日本で「教育」というと、ほとんど「フォーマルエデュケーション」のことで、インフォーマルエデュケーションはそれを補完するようなものに思われがち。
しかしながら、アメリカの博物館で在外派遣研修をしていた時、ハーバード大学で博士号をとった教育普及ディレクター(化石屋)に言われました。
「人生では、フォーマルエデュケーションよりインフォーマルエデュケーションの期間の方が長い」と。
そう言われればそうですな。
義務教育で9年。そこから高校、大学に行ってもプラス7年で16年。
近年の日本の平均寿命は80歳越え。
16年と64年以上なら、機会さえあればインフォーマルエデュケーションの占める割合は大きい。
16年と64年以上なら、機会さえあればインフォーマルエデュケーションの占める割合は大きい。
子どものため、というイメージが強い自然科学博物館に大人だけの団体見学(研修先の「Museum of the Earth」にて)。
そして、学校に通っている時だって、家に帰ったら本やテレビなど、あまり教育という感じがしなくてもインフォーマルエデュケーションを受けていたりする。
ディレクターの一言には、学校教育をないがしろにするということではなく「だから自分たち(博物館)のやっていることは重要なんだよ、だからガンガンやるんだよ」という自負を感じました。
それまで、博物館で働いていた私ですら補足の教育機関みたいに感じることが多かったのですが、インフォーマルエデュケーションの力は大きい、と自信を持った一言でした(Museum of the Earthについてはこちらの記事もぜひ)。
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